2011年12月8日木曜日

読書メモ:「ぼくらのよあけ」今井哲也 アフタヌーンKC

2011年6月23日 1巻初版

前作「ハックス(全4巻)」から注目していた作家。
調べたら、まだデビュー間もないらしい。

「ハックス」はアニメーション制作に挑戦する女子高生の話。
 作る楽しみを丁寧に書いていて、好感を持った。

今作「ぼくらのよあけ(全2巻)」は、近未来の小学生が宇宙人?を助ける話。

こちらも、なんというか細田守監督に映画化して欲しいような、爽やかな読み口の作品。

内容も良いが、主人公達の使っている電話などの機器が目新しい。
そしてまた、実際に実現しそうなアイテムが多くて楽しい。

 SFが身近になっているのだな、そういう時代に我々は生きているのだな、と思った。


 

2011年12月5日月曜日

読書メモ:「阪急電車」有川浩 幻冬社文庫

2010年8月5日初版 爽やかな読み口の小説だった。 普段あまり小説は読まないが、ちょうど映画の公開時期に、阪急電車に乗る機会があったので買ってみた。 登場人物が入れ替わり現れる、オムニバス形式の短編集。 ライトノベル?と思うような内容だったが、阪急の臙脂色の車体と、天気のいい日ののんびりした感じ、映画のキャストの顔などを思い浮かべながら読むと、可愛らしくて好感が持てた。 著者の「人」よりも「場所」に思い入れがある感じには共感する。

2011年11月21日月曜日

読書メモ:「頭が良くなる習慣」佐藤伝 中経出版

2007年12月5日初版

一言で言えば、「脳の発達と運動能力は、普通に思われている以上に相関関係がある」
ので、「頭を良くするためにもっと体に注目しよう」という内容の本。

これは一理あるかも、と思って買った本。
そもそもこの読書メモも、読んだだけだと忘れるから手を動かそうと思って始めたのだし。


この著者、お父さんが脳外科医だったそう。
   脳→神経→筋肉→行動 というのが一般的な認識だが、
   行動→筋肉→神経→脳 も実際に現象としてある、という論を展開している。
例えば、先生と呼ばれる人種の知識が豊富なのには、立ったまま、体を使って黒板に文字を書きながら、大きな声で話ながら思索しているから、等々。


今回読み返したところ、意外にもこれを読んでから習慣化していたことや転換を図るきっかけになったことも載っていて、私のソウルブックの一つになっていた。
以下、既に習慣化していたり、改めてもっともだと思ったものはハイライト。

TIPSをまとめたかったのでメモ。

[思索]
・ある数学者は立ったまま思索できるよう、壁一面をホワイトボードにしていた。
   同じくダヴィンチやドストエフスキーは立ったまま書見台を使ってメモをしていた。

[暗記]
・暗記をしたいときは軽いスクワットをしながら音読する。
・頭を床につける倒立をして、教科書を逆さにして読む。
カメラのシャッターのように目をつぶり、画像として覚える。
・音読しながら、爪を押す(軽い痛みで覚える)。
・読んでいるときは左手で行を追う、あるいは机をトントンと叩く。
音読は耳栓かヘッドホンなどで耳を覆い、小声で行う。
・近所まで出かける際は、出掛けに暗記したいものを読み、歩きながら思い返す。
思い出せないときは、頭の耳の上あたり(側頭葉)をこする※下記
人の名前や商品名などは「ゆっくり3回、早口3回」復唱すると確実に覚える。

[文房具の使い分け]
計算式は万年筆で(お薦めはこれらしい。)。
・漢字は筆ペンで。
・アイディアを考えるときは0.7、4Bなどの濃いシャーペンで
・無地のノートを使う。
ノートは見開きの右ページだけ使い、左ページは自由な書き込みスペースにする。
・切り取れ、その後ファイリングできるフィラーノートがお薦め。
   1冊に全教科書き込み、週末に復習も兼ねて整理する。


[やる気を出すには]
窓を開けて換気する、もしくは空気清浄機をONにする。
温室時計をチェック湿度50%がベスト。
・デスクに座る前に、時計・アクセサリ・携帯などを外し、リラックスできる恰好に
   なる。
・額を掌の下の方(手首の上)あたりで押し上げる。※下記
額と後頭部を自分の両手でぎゅっと押さえて押す。※下記
・天井の照明は消すか落とすかして、デスクライトのみ点ける。
・デスクの上に出ているものは全ていったんどかす。
・普段から、デスクの上にはなにも置かない。


[眠くなったら]
首を下げない!のがポイント。姿勢を正すか、立って学習する。
ヨガの片鼻交互呼吸法をして脳に酸素を送りながら音読。
   (片手人差指で、反対の鼻の穴を塞ぎ鼻呼吸する方法。吸う・吐くのときそれぞれ
    一拍づつ止めるのがポイント。)
・薬局で売っている「ぶどう糖」タブレットを食べてエネルギー補給。



[学習方法]
・始める前に3分ストレッチする。
(お薦めは前屈とブリッジ、四股、イチロー屈伸、首回しと肩回し、だそう。)
15分+5分=20分を1モジュールとして、細切れに学習する。
   代わりに、かならずその20分はやるという習慣を付ける。
   (TVのコマーシャルが挟まる頻度と同じ、とのこと。なるほど…。)
・ただ書き写すだけの作業はしない、それならコピーに書き込みのほうがいい。
机の配置は、背後に壁や窓、前方に空間をとる。社長室みたいなかんじに。
   また、ドアから入ってきた人をすぐに視認できる配置にする。
・学習するなら、早朝にする。深夜は非効率。
・図形問題は右目を瞑って解く。※下記
分厚い参考書は、章ごとに裂いて、(必ず)製本テープを貼って使う。
同一教材を3回解くことを前提に、「本番」の日から逆算して一日の学習量を出す。
   無理なら教材のほうを変える。
・(教師向け?)始めと最後に、同じ内容のミニマル・トライアルとしてミニテスト
   をする。

[教科別]
・英語と数学は予習、理科・社会・国語は復習が向いている。
   理・社・国は用語が複雑なので、予備知識を入れないほうがよい。
   その後の5分休みのうち1分を使って、3回×2復唱して単語を覚えてしまうのが吉。
   英も同様に3回単語を書いて覚えてしまうこと。


[PCについて]
・ノートPCを外部記憶媒体として使う。
   いつもスリープ状態で置いておき、開いたらすぐ使えるように。
・書籍や資料は必要なものだけスキャン。その際は必ず「透明テキストつきPDF」で。
・オンラインサーバーにUPしてしまう。その際、分類はしない。
   バックアップは3重に取る。
・その日の20分タスクの達成エクセルを作る。


[受験・試験への向かい方]
・直前にこれまでの参考書・ノート(フィラーノートなので分割しているはず)から、
   重要と思われるものを一冊のバインダーにまとめる。
   (参考書を破りたくない人はスキャナとカラープリンタがあればそれを使う。)


※※【脳の働きについて】※※
記憶は側頭葉、思考は前頭葉が司る。
   暗記の欄にも書いたが、思い出せないときは、頭の耳の上あたり(側頭葉)をこする。
   やる気を出したいとき、思考力が必要なときは額をこする。
   緊張してしまうときは、額と後頭部を自分の両手でぎゅっと押さえて押す。
   ※首、背中から足まで続く筋膜が額から出ている。押すことで緩まる。

■イメージ把握は右脳の領域、計算や文章化は左脳領域。
   目とはクロスして繋がっているので、図形なら左目、計算なら右目を使って解くと良い。


その他、学習の動機付けの大切さとその方法、伸び悩んだときの考え方、ビジネスの捉え方なども載っているが、何より感心したのは以下のことば。

「健康は命より大切!」

この本の主旨は「頭を良くするためにもっと体に注目する」というものであるが、
本の最後では、まずは何よりも体の状態がいいことが最優先と言いきっている。
私は持病の関係で年中体のどこかが痛いので、このことばにはとてもはっとさせられた。
まず、体をいたわった上で仕事をしたいものである。



2011年9月24日土曜日

音楽:お気に入り動画。

エスペランサ・スポルディング (Esperanza Spalding )
(公式HP(英語))


1984年10月18日 - オレゴン州ポートランド出身とのこと。
OMG!高校の短期留学で行ったことあるよ、その街。
のどかで健全な雰囲気の街だったと記憶している。

ベースも勿論、声が素晴らしく素敵。


LAVA feat. Sissy Peoples Day & Night
(LAVA公式HP)

近所のbarに入ったときに流れていて、あまりに素敵だったのでバーテンに曲名を教えてもらう。
この方、日本人なのね!
アルバム買おう。


nujabes reflection eternal
(公式HP)

渋谷タワレコの視聴盤で、ヘッドホンから流れてきた怒濤のようなイメージの洪水に、一瞬にして泣きそうになって慌ててレジに走ったことを思い出す。
急逝されたときは、大声で泣いた。
後にも先にも、そんな風に思ったアーティストは初めてだった。
イベントに行けば良かったと後悔しきり。
いまでもあちこちで聞くたびに、その美しさに胸打たれる。


Omar There's Nothing Like This
(公式HP)

確か最初に聞いたのは某区の図書館でだった。
その後も数枚聴いたけれど、1stの1曲目、これが一番好きだった。
この人確か、「Big Happyだ!」と言って腕に「大福」って刺青を入れてたかと(笑)。

Des'ree What's Your Sign
(公式HP)

You Gatta Be があまりにも有名。
もちろんそれも好きなのだが、同じアルバムに入っているこの曲もお気に入り。
少女趣味な歌詞といい、いつまでもどことなく素人っぽさがある感じといい、私の中ではなんとなくCharaと立ち位置が被る。
改めて聴いてみたら、この曲も気に入った(Darwin Star)。
2003年で止まっているが、今はどうしているのだろう。

2011年9月11日日曜日

【お茶】平手前の順序 (主・客、双方の作法)

自分何でもノートなので、こんなのもあってもよいかと。

【炉・風炉薄茶の平点前】
■準備
  お茶を篩っておく。
  水指に水をいれる。
  棗に篩ったお茶を入れる。[山ができるように]
  茶巾をたたむ。
  [縦三折にし、ふくだめを作り二つに折り、さらに端をふくだめの手前まで折る。
     ふくだめを手前にして茶碗に入れる。]
  茶碗に茶巾と茶筅を入れ、茶杓を掛ける。
  建水に蓋置を入れ柄杓を掛ける
  体に帛紗を付ける。

零. お客様へお菓子を出す


一、道具を運び付ける。 
1. 水指を茶室入口右前に置き、三手[右で引手、右で縁、左で縁]で襖を開けて礼。
   「お薄を差し上げます」

2011年8月20日土曜日

読書メモ:「青青の時代」山岸凉子 希望コミックス

山岸凉子の(たぶんあまり売れなかった…?)時代物。


子供が主人公だし、絵もだいぶ整理された後年の作品なので、おどろおどろしさが薄くていい。
相変わらず、物語の運びが巧いので、安心して楽しく読める作品になっている。

最終巻に入ってたニジンスキー寓話を見て思い出したけど、10年前出た当時に読んでた、、、けど本編は印象薄くて忘れてた模様。
(ニジンスキー寓話は別装でも持っていた。)

読書メモ:「百舌谷さん逆上する」篠房六郎 アフタヌーンKC



同居人が1巻だけ無くしてて、ずっと気になってたけど読めなかった漫画。
この人、短編の「家政婦が黙殺(KCデラックス)
」でとてもカッコいい漫画を描くなぁ、でも濃くて読みづらいなぁと思っていたのだ。

濃さは健在、でももうちょっとエンタメ寄り。本編も良いけど、私的には巻末おまけが秀逸だった!
あああ、この人オタクなんだろうなぁ。尊敬する。

**********

さて、その後既刊の6巻まで読んだのだが、、、。

3巻で、泣いてしまった。
パワフルなギャグ漫画、という印象の本作で、まさか泣かされるとは。



その後もパワーダウンせずに続いているのが素晴らしい。
(オチどうするんだろう。)
お薦めです。

読書メモ:「中国嫁日記」井上 純一 エンターブレイン



さらりと読めて、なおかつ楽しい異文化もの。
世代差や為替相場、文化の差が良い方向に働いたように思える好例。
…とはいえ、「なんとなく」が大事という美しい結論に異論は無い。

嫁さんのコメントを見るにつけても、まじめな若い人って良いな、と思う次第。

読書メモ:「蝉時雨のやむ頃」吉田秋生 小学館FC



私にとっては「バナナフィッシュの」吉田秋生。

とはいえこの人、ラヴァーズ・キスからずっと鎌倉だなあ。
ただ、へんに重苦しかった(バナナフィッシュに引きずられていた?)ラヴァーズ・キスに比べ読み口が軽くなっていて、それがとても良く、円熟期なのだなと感じる。

読書メモ(漫画):「獣の奏者」上橋菜穂子原作 武本糸会漫画 講談社シリウスKC




ライトノベルが原作の、ファンタジー作品。
とても面白い。
素直に良いな、と思える作品は久しぶり。

また、小説のコミカライズとしても、とても良く出来ている方だと思う。
原作者と漫画家の幸福な出会いを感じさせられた。

90年代初めころに読んでいた作品を彷彿とさせる、作り込み方が懐かしい。
こういう感じって時代を問わず通用するのだなぁ。
続きが楽しみだし、小説の方も読んでみたくな…ったが、なんとなく想像がついた気も。
とはいえ、買って損はしなさそうだ。

小説版はこちら。

読書メモ:「キュレーションの時代」佐々木俊尚 ちくま新書

キュレーションというので、てっきりまとめサイト等の話かとおもいきや、webでの全方向なリンクなどをキュレーション行為と捉え直すことで、「インターネットで何が起こっているのか」「購買に関しては消費者の意識がどう変わって行ったのか」を分かりやすく説いている本。




70年代後半生まれ、90年代が青春時代だった自分には、80年代後半までは記号消費がとても強くまとわりついていたこと、90年代は遅れてきたコンテンツバブルだったという丁寧な紐解きが、過ぎてきた季節を改めて眺めて納得するような感慨があった。

その他、個人的には、本文中に例として引かれている映画、アート等の情報が気になった。
恥ずかしながら半分以上は未見なので、それぞれ機会があったら見聞きしてみようと思う。

【映画】
ハングオーバー


ホットファズ


アンヴィル



【アウトサイダー・アート】※リンク先は画像検索結果一覧です。
ジョゼフ・ヨアキム」(wiki
ヘンリー・ダーガー」(wiki
アロイーズ・コルバス」(wiki
アドルフ・ヴェルフリ」(wiki

【本】
「生命を捉え直す 生きている状態とは何か」清水博(中公新書)

*特にこの本に関しては、本書の中だけでは捉えにくく、改めて読みたいと思った。

2011年7月11日月曜日

読書メモ:「三陸海岸大津波」文春文庫 吉村 昭

東日本大震災の後に読んでみた本。

報道ではあまり取りざたされていなかったように思うが、あの地域は明治二十九年、昭和八年とかなり大規模な地震に遭っていたらしい。
また、昭和三十五年チリのチリ地震でも津波が届いていたとのこと。
本書は、それらの地震について、手記やインタビューなどの資料をまとめる形で構成されている。
生き生きしたインタビュー内容に、災害に関わらず歴史的な出来事に関しては、関係者が存命のうちに話を聞くことの重要性を感じる。




私はウインタースポーツ好きが高じて、東北には冬・夏ともに良く行った。
とはいえ住んだことがないので詳しくは分からないのだが、そこで生活している人はきっと、日常的に津波警報に慣れてしまっていたり、堤防を信頼していた、などの理由で逃げるのが遅れた人も居るのだろう。

また、印象深かったのは、そのころの東北の地域は「陸の孤島」で、整備された交通網があまりなく、被害の全容を把握するにも、救援物資を送るにも難儀した、という記述。
その分、そこに住む人々が自然が豊かで奇岩のリアス式海岸の神秘さや海産物の豊かさなどを愛している様も読み取れた。

私は「危険なのになぜ移住しないのか」という疑問を持っている派だったのだが、これを読んで、東北の人の中央に対する意識の持ち方だったり、地元への愛着だったり、非常に我慢強い気質だったりの一端が垣間見えた気がした。

とはいえ、堤防では防げない被害が出るということが実証されてしまった以上、都市計画での減災が計画されることだろう。
その際はどうか、地域の人の精神に沿った町づくりがなされることを願うばかりだ。

初回。

2011年、やっと自分も歴史の中にいるんだ、という気がしてきた。

それとは関係なく、ブログを初めてみようと思い立ったので作成しました。
読んだ本のノートとか旅行記とか雑感とかを書いて行こうと思います。