2011年8月20日土曜日

読書メモ:「青青の時代」山岸凉子 希望コミックス

山岸凉子の(たぶんあまり売れなかった…?)時代物。


子供が主人公だし、絵もだいぶ整理された後年の作品なので、おどろおどろしさが薄くていい。
相変わらず、物語の運びが巧いので、安心して楽しく読める作品になっている。

最終巻に入ってたニジンスキー寓話を見て思い出したけど、10年前出た当時に読んでた、、、けど本編は印象薄くて忘れてた模様。
(ニジンスキー寓話は別装でも持っていた。)

読書メモ:「百舌谷さん逆上する」篠房六郎 アフタヌーンKC



同居人が1巻だけ無くしてて、ずっと気になってたけど読めなかった漫画。
この人、短編の「家政婦が黙殺(KCデラックス)
」でとてもカッコいい漫画を描くなぁ、でも濃くて読みづらいなぁと思っていたのだ。

濃さは健在、でももうちょっとエンタメ寄り。本編も良いけど、私的には巻末おまけが秀逸だった!
あああ、この人オタクなんだろうなぁ。尊敬する。

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さて、その後既刊の6巻まで読んだのだが、、、。

3巻で、泣いてしまった。
パワフルなギャグ漫画、という印象の本作で、まさか泣かされるとは。



その後もパワーダウンせずに続いているのが素晴らしい。
(オチどうするんだろう。)
お薦めです。

読書メモ:「中国嫁日記」井上 純一 エンターブレイン



さらりと読めて、なおかつ楽しい異文化もの。
世代差や為替相場、文化の差が良い方向に働いたように思える好例。
…とはいえ、「なんとなく」が大事という美しい結論に異論は無い。

嫁さんのコメントを見るにつけても、まじめな若い人って良いな、と思う次第。

読書メモ:「蝉時雨のやむ頃」吉田秋生 小学館FC



私にとっては「バナナフィッシュの」吉田秋生。

とはいえこの人、ラヴァーズ・キスからずっと鎌倉だなあ。
ただ、へんに重苦しかった(バナナフィッシュに引きずられていた?)ラヴァーズ・キスに比べ読み口が軽くなっていて、それがとても良く、円熟期なのだなと感じる。

読書メモ(漫画):「獣の奏者」上橋菜穂子原作 武本糸会漫画 講談社シリウスKC




ライトノベルが原作の、ファンタジー作品。
とても面白い。
素直に良いな、と思える作品は久しぶり。

また、小説のコミカライズとしても、とても良く出来ている方だと思う。
原作者と漫画家の幸福な出会いを感じさせられた。

90年代初めころに読んでいた作品を彷彿とさせる、作り込み方が懐かしい。
こういう感じって時代を問わず通用するのだなぁ。
続きが楽しみだし、小説の方も読んでみたくな…ったが、なんとなく想像がついた気も。
とはいえ、買って損はしなさそうだ。

小説版はこちら。

読書メモ:「キュレーションの時代」佐々木俊尚 ちくま新書

キュレーションというので、てっきりまとめサイト等の話かとおもいきや、webでの全方向なリンクなどをキュレーション行為と捉え直すことで、「インターネットで何が起こっているのか」「購買に関しては消費者の意識がどう変わって行ったのか」を分かりやすく説いている本。




70年代後半生まれ、90年代が青春時代だった自分には、80年代後半までは記号消費がとても強くまとわりついていたこと、90年代は遅れてきたコンテンツバブルだったという丁寧な紐解きが、過ぎてきた季節を改めて眺めて納得するような感慨があった。

その他、個人的には、本文中に例として引かれている映画、アート等の情報が気になった。
恥ずかしながら半分以上は未見なので、それぞれ機会があったら見聞きしてみようと思う。

【映画】
ハングオーバー


ホットファズ


アンヴィル



【アウトサイダー・アート】※リンク先は画像検索結果一覧です。
ジョゼフ・ヨアキム」(wiki
ヘンリー・ダーガー」(wiki
アロイーズ・コルバス」(wiki
アドルフ・ヴェルフリ」(wiki

【本】
「生命を捉え直す 生きている状態とは何か」清水博(中公新書)

*特にこの本に関しては、本書の中だけでは捉えにくく、改めて読みたいと思った。