2012年3月19日月曜日

サンライズ瀬戸・出雲で直島へ! その2

さて、事前に必要と思われる情報は前回記事に取り上げたので、
ここからは実際に乗車してみての所感を、時間軸にそって挙げてみようと思う。
なお、旅情は自分で味わいたいという方は、この記事は読まなくても構わない。

《東京駅〜ホーム》
乗車は9番線、東海道線のホームからだった。
詳しくない人は東京駅で駅員に確認したほうが無難だろう。
車内では食品販売がないので、食べ物・飲み物などは事前に駅構内で調達。
最近のターミナル駅は食品店が充実していてありがた
20分前にホームに着くと、すでに沢山の乗客が待っていた。

少人数の若者グループや、老人の団体が多いようだ。
新幹線より値がするため、観光目的の人が多く、ビジネスユースの人がいないのだろう。

発車は22時ちょうど、電車が入ってきたのは15分前の21時45分ころだっただろうか。
駅に電車が入ってくると、車体と一緒に記念写真をとる人が多い。
すでに遠足のような浮き足立ったムードで、明るい雰囲気だ。

《車内〜個室》
車内はとても清潔で高級感がある。
後で知ったが、内装はミサワホームが手がけているらしい。

シングル個室は思ったよりも広く、寝台上で2人座ってくつろぐことができた。
防音もかなりしっかりしていて、 動き出しても個室内では十分に会話ができる程度の音だ。
(が、実際に眠るには、個人差もあると思うがやはりうるさかったので、耳栓持参をお勧めする。)

シングル個室の様子。
鏡、カウンタ、ドリンクホルダ、ゴミ袋、ハンガー、スリッパ有り。
ベッド下に見えたスリットは暖房の吹き出し口。

《車内〜検札・放送》
発車すると比較的すぐに検札がある。
シャワーカードなどはこの際に購入できるようだが、車掌さんからは特にアナウンスはなかった。
検札後すぐに、浴衣で廊下を歩いている方を見た。おそらくシャワーに行ったのだろう。
夜行列車のため、車内放送は23時を最後に一旦終了となる。

《車内〜共用部》
トイレ・洗面台は2両に1箇所はある。(詳細な数と位置は座席表参照。)
就寝前と朝に利用したが、どちらも待つということはなかった。












シャワーは今回利用しなかったが、こんな感じ。
正面にドライヤと脱衣カゴ、左壁にカード読み取り機が見える。
シャワー室内はお湯の出せる制限時間(6分)のカウンタ、リンスインシャンプーとボディソープがある。

ミニラウンジは、若者グループが使っている姿を見た。
ノビノビ座席利用者だろうか。
ただ、椅子はクッションのないタイプであまり大きくないため、長時間を過ごすものではなさそうだった。

自動販売機にはやられた!
ドリンクは水・栄養ドリンクを入れて4種類しかない!
事前に買っておいて正解だった。

《車内〜座席選び》
電車が動き出した後、車内の空き部屋をひととおり見に行ってきた。
結果、今回の座席選び(シングル階上室を2室)に関しては我々に取っては正解だったと感じた。
予約の取れなかったサンライズツインは、いつか乗りたいが、憧れとして取っておこうと割り切れる。
ソロ2部屋(差額-1000円/1人)は、どちらかの部屋で2名で過ごそうと思えば、やはり若干窮屈だったのでないかと思われる。
シングルツイン(差額-140円/1人)では、同室というのは魅力的だが…。
確かめていないので定かではないのだが、上段のベッドの使い勝手が気になる。
ただ、平屋室の開放感は試してみたいので、機会があったら乗ってみたいとも思う。

《車内〜個室に戻って》
一通り探検した所で個室に戻り、買っておいたお酒とチーズで晩酌。

個室内の照明を消すと、夜景がとても美しい。


《総括》
値は張ったものの、とても良かった。
旅情という部分以外でも、以下のメリットを感じた。
横になって寝ることができるので、新幹線3時間半よりもかなり体は楽だった。
(帰路は新幹線にしていたので、実際に比較しての体感。)
また、早朝着なので、時間を有効に使えたのは遠方への旅行としては有り難かった。
これまで特に興味はなかったのだが、他の寝台列車にも乗ってみたいと思うようになった。

利用を検討している方はぜひ一度試してみて欲しい。

2012年3月18日日曜日

サンライズ瀬戸・出雲で直島へ! その1

2012年3月に、寝台列車のサンライズ瀬戸・出雲を使って直島旅行をしました。
サンライズ瀬戸が非常にすばらしかったので、諸メモを残すことにします。

《利用状況》
3月の日曜日(オフシーズン)。定刻の22時東京発。
東京 - 岡山間を2名で利用。手配は出発の24日前。
2号車のシングル(B寝台/電車個室)階上室2つを向かい合わせの部屋で予約。席番号は28、29。
※備品、サイズ、また音や揺れについては利用したシングルのみ詳細に記載しています。
   その他の座席は事前調査で分かる範囲での記載です。

《サンライズ瀬戸・出雲(下り)解説》
・概要 …東京→高松・出雲市までの寝台特急。機関車が客車を牽く列車ではなく寝台電車である。


・編成 …17両。うち7両がサンライズ瀬戸、7両がサンライズ出雲。
             岡山で切り離しを行い、瀬戸は高松へ、出雲は出雲市へ。

・停車駅…東京駅 - 横浜駅 - 熱海駅 - 沼津駅 - 富士駅 - 静岡駅 - 浜松駅 - 姫路駅 - 岡山駅
             (以降瀬戸)児島駅 - 坂出駅 - 高松駅
             (以降出雲)倉敷駅 - 新見駅 - 米子駅 - 安来駅 - 松江駅 - 宍道駅 - 出雲市駅
                  ※上りは停車駅が違うので注意。

・料金 …乗車券+特急券+寝台券。
                乗車券・特急券は新幹線と同じ、寝台券は座席の種類によって料金が異なる。
                   例)岡山行でシングル(B寝台/電車個室)利用なら、
                        乗車券10,190円+特急券6,670円+寝台券7,350円=24,210円


《座席種類》
・1人用…シングルDX、シングル、ソロ、ノビノビ座席。
・2人用…サンライズツイン、シングルツイン。

2号車デッキから階段を臨む。
《車両の特徴》
・2階建て車両のため、階上室と階下室、連結部付近の平屋室がある。
・シングル、シングルツイン、ソロは中央通路の両側に個室があるタイプ。
     シングルDXとサンライズツイン、ノビノビは片側が通路のタイプ。
・個室は全て電子ロック錠あり。
・共用部にはトイレ、洗面台、ミニラウンジ、電話、自販機、シャワー室
(ドライヤー無料)あり。
・食品の車内販売はない。


《座席表》
車両の編成図、座席表はこちら





★シングルDX(A個室寝台1人用)
席数 :瀬戸・出雲それぞれに6室づつ(内3室は喫煙室)。
               4号車・12号車の階上室のみ。
寝台券:13,550円
サイズ:196×85cmの寝台。
その他:寝台、デスク、椅子、洗面台と鏡のある広い個室。
               TVもあるが、現在は放送を中止しているとのこと。
               アメニティキット、シャワーカード付き。A寝台専用シャワー室利用可。
               布団は羽毛布団。枕、浴衣パジャマ、スリッパあり。

★シングル(B個室寝台1人用)
席数 :瀬戸・出雲それぞれに、80室づつ。階上・階下・平屋室あり。※席数最多。
寝台券:7,350円
サイズ:196×60〜70cmの寝台。
その他:寝台足元に小型のカウンタ、電源、鏡、紙コップとドリンクホルダー、
              コンパネにはラジオ、エアコン調節、照明スイッチ、時計等あり。
              布団は毛布。枕、浴衣パジャマ、スリッパあり。
              寝台は枕側と足側で幅が違う(…と書いてあるが、実際は殆ど感じなかった。)。
              階上・階下室とも天高が180cm有り、立つことができる。
              シャワーカードは300円(お湯を出せるのは6分)、
              タオル・歯ブラシセットも200円で車掌から購入可。
種類 :【階上室】窓上部にRがつき、開放感がある。比較的音が少ない。
              【階下室】床付近にRがつき、天井付近は末広がりに。比較的揺れが少ないそう。
              【平屋室】天高が300cm。8室づつ。同料金で広いのでお得?
               ただし連結部付近なので音と揺れは多少大きいという意見もあるようだ。
               後述のシングルツインはこのシングル平屋室を2名使いにしたもの。
今回利用したのはこちらの階上室。

★シングルツイン(B個室寝台1人用/2人用)
席数 :瀬戸・出雲それぞれに、6室づつ(内1室は車椅子対応室)。平屋室のみ。
寝台券:1人使いの場合→9,170円、2人使いの場合→14,420円
サイズ:196×60〜70cmの寝台。
その他:備品、天高等はシングル平屋室と同じ。
              上部に跳ね上げ式のベッドがついている。また下段のベッドは中央部分を外し
              ソファとして使用もできるようになっている。
              車椅子室がこのシングルツイン仕様なのは介添者との同乗を想定か?
場所 :挿図は見えにくかったため、場所を追記します。
              1・8号車の11番。2・9号車の1番(車椅子室)と11番12番。
              6・13号車の1番と11番12番。7・14号車の1番。

★ソロ(B個室寝台1人用)
席数 :瀬戸・出雲それぞれに、20室づつ。上段、下段あり。3・10号車のみ。
寝台券:6,300円
サイズ:196×56〜70cmの寝台。
その他:下段の部屋の入り口横に上段への階段があり、2段ベッドのように部屋が
              組まれたようになっている構造。寝台車ではメジャーな造りらしい。
              上段・下段とも天高は145cm、立つことができるのは上段の階段部分のみ。
              モータのある車両のため2階建てにできず、このような部屋になっているそうだ。
              寝台3分の1ほどに、上段には下段の天井が多少、下段には上段への階段が
              大きく斜めにせり出しているため、上段の寝台は一番狭いところで60cmほど、
              下段の寝台は一番狭いところで56cmほどとなる。
              布団は毛布。枕、浴衣パジャマ、スリッパ有り。
              また、この車両にミニラウンジと自販機、シャワーがあるため、人通りがある。
              費用を抑えたいが防犯上個室の必要がある人(女性など)向けかと思う。
ホームから。ソロ下段。
上段の階段が迫り出しているのが見える。

★サンライズツイン(B個室寝台2人用)
席数 :瀬戸・出雲それぞれに、4室づつ(内2室は喫煙室)。
              4号車・12号車の階下室のみ(シングルDXの階下部分)。
寝台券:14,700円
サイズ:196×75cmの寝台が2台。
その他:布団は毛布。枕、浴衣パジャマ、スリッパ有り。他物入れなどあり。
              シャワーに関してはシングルと同じ。
              ※本当はこの座席を狙っていたのだが、3週間以上前の手配でも予約が取れず。
                 席数が少ないこともあって人気のようだ。
ホームから。サンライズツイン。

★ノビノビ座席(普通車指定席)
席数 :瀬戸・出雲それぞれに、28席づつ。上段、下段あり。
寝台券:0円(不要!)
サイズ:不明
その他:床はカーペット。窓、紙コップとドリンクホルダ、電源あり。
              布団は毛布。枕、浴衣パジャマ、スリッパなし。
              シャワー室利用可能かどうか不明。
              通路との間にはカーテンがあるが、隣との壁は頭側しかなく、区切ることのできる
              空間ではない。女性はソロの方が良いと思われる。
              とはいえ新幹線と同料金で、横になって休め、翌早朝から行動できるのは魅力。
              稼働率は良いそうだ。

※JR公式HPの各部屋写真はこちら。また、シングル他の写真は次の記事で。

《便利グッズ》
車内で役に立ったものは以下。
・マスク
ホテルなど以上に乾燥が激しい。ソフトコンタクトケースの溶液が10分で3分の1になって驚いた。就寝時に使用できるようなマスクはできる限り持って行くことをお勧めする。
・耳栓
音の感じ方は個人差があるとはいえ、やはりあったほうが無難。同行者は眠れたらしいが、私はこれがなければ眠れなかった。
・歯ブラシ、タオル
買うこともできるが、事前調査が足らず購入可能と知らなかったので持参した。
・アイマスク
こちらも個人差があると思うが、只でさえ揺れと音で安眠は難しい状況なので、光に敏感な人は持って行ってもよいかと思われる。ちなみに今回我々は使わなかった。
・フリースの膝掛けなど
これも実際に行って分かったのだが、窓の真下で眠るため、予想以上に寒い。
夜行バスの窓際の席をイメージして貰えれば良いだろうか。
付属の浴衣は薄いものなので、女性などは寝間着も持参したほうが良いかもしれない。
今回は毛布の上にコートを掛けて凌いだが…。
暖房は窓と逆側の床付近から出るが、空気が循環しないせいか寝そべってしまうとあまり効かなかった。
勿論乗る時期にも寄るかとは思うが、こうしたアイテムは持参すべきだった。


利用した所感などは次回へ↓